コーヒーの基本を学びたい!~焙煎・挽き方・淹れ方~
香り高いコーヒーは、カフェでも自宅でも、気軽に安らぎのひとときを私たちに提供してくれます。
コーヒーの味の決め手となる知識があれば、さらに自分好みの一杯を楽しむことができます。
そこで今回は、コーヒーの焙煎・挽き方・淹れ方についてご紹介します。
コーヒーの味わいを左右する焙煎
焙煎とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことをいいます。
コーヒーの生豆は、もともと味も香りもありませんが、加熱による化学変化で特有の味や香りが生まれます。
加熱の程度を表す指標を焙煎度といいます。
その焙煎度は大きく分けて、浅煎り・中煎り・深煎りの3段階に分けられます。
浅煎りがもっとも酸味が強く、焙煎段階が進むほどに酸味は抑えられて苦みが強くなります。
日本では一般的に、さらに味の違いを細分化し、8段階に分類されています。
浅煎り
代表的な産地
キューバ・キリマンジャロ・ハイチなど。
飲料用ではなく、テストに使われることが多い。
LIGHT ライト
最も浅い焙煎度。
うっすらと焦げ目がついている程度。
コーヒーの香り・味・風味はほとんどなく、酸味が強く、飲用には適さない。
CINNAMON シナモン
いわゆる浅煎り。
シナモン色。
こちらも飲用には適さないが、上質な酸味を持つ豆であればブラックコーヒーに適する。
中煎り
代表的な産地
エチオピア・グアテマラ・コスタリカ・コロンビア・キューバ・タンザニア・ハイチ・ブラジル・ブルーマウンテンなど
MEDIUM ミディアム
栗色。
酸味が主役だが、苦みもあり、ライトな味わいでアメリカンコーヒーに適する。
HIGH ハイロースト
深めの茶色。
ミディアムよりもやや深い煎り方で、喫茶店や家庭で使われるレギュラーコーヒーはこの段階のものが多く、日本ではスタンダードな焙煎度。
CITY シティロースト
濃い茶褐色。
酸味と苦みの中間のバランスのよい味になる。
こちらも喫茶店や家庭で使われ、すべての豆に適する。
エスプレッソにも用いられる。
深煎り
代表的な産地
インド・ケニア・ブラジル・インドネシア・パプアニューギニア・ボリビアなど
FULLCITY フルシティロースト
濃い茶色。
酸味は弱く、苦みが強調され始める。
アイスコーヒーやエスプレッソに適する。
FRENCH フレンチロースト
黒っぽい色。
表面に少し脂分が出てくる。
酸味はほとんどなくなり、苦みとコクが際立ち、重さのある味わい。
牛乳などと混ぜてもコーヒーの味が残り、カフェ・オ・レなどのアレンジメニューに適する。
ITALIAN イタリアンロースト
最も深い焙煎度。
黒に近い。
表面には脂分が出ている。
強い苦みと香ばしさで、エスプレッソなどに適する。
コーヒー豆の挽き方
コーヒー豆を購入し、淹れる直前にコーヒーミルを使用して豆を挽くと、よりおいしいコーヒーを楽しめます。
手廻しミルや電動ミルを使って、抽出器具に適した大きさの粉にします。
挽いた粒の細かさを粒度(メッシュ)といいます。
粒度が細かいほど、中に含まれる苦みや酸味などの成分が溶け出しやすくなります。
粒が均一になっていないと雑味のあるコーヒーになってしまいますので、注意が必要です。
では、粒度と適した飲み方や抽出器具についてみていきましょう。
極細挽き
最も細かい上白糖ほどのパウダー状。
酸味が少なく、苦みが際立って抽出される。
エスプレッソマシンに使用。
細挽き
グラニュー糖ほどの大きさ。
苦みが抽出されやすい。
マキネッタ、水出しコーヒーに使用。
中挽き
ザラメ糖とグラニュー糖の中間ほどの大きさ。
一般的に市販されているレギュラーコーヒーはこのタイプ。
ペーパードリップやコーヒーメーカーと相性がよい。
粗挽き
ザラメ糖ほどの大きさ。
コーヒー粉とお湯との接触時間が長い淹れ方に向く。
サイフォンやネルドリップ、フレンチプレスや、パーコレーターなど。
おいしいコーヒーの淹れ方
では、一番ポピュラーな抽出方法である、ペーパードリップでコーヒーを淹れる方法をご紹介したいと思います。
用意するもの
・コーヒー粉(中挽き)
・軽量スプーン
・ドリッパー
・コーヒーポット
・ペーパーフィルター(ドリッパーに合うもの)
・コーヒーサーバー
・コーヒーカップ
コーヒーの配分
1杯分 コーヒー粉10gに対し、水120 ml
コーヒーの淹れ方
①計量スプーンで杯数分のコーヒー粉を計量します。
②お湯を沸かします。コーヒーサーバー、コーヒーカップに熱湯を入れて温めておき、飲用の分はコーヒーポットに入れて適温(90℃前後)にします。
③ペーパーフィルターの側面と底面を互い違いに折り、ペーパーフィルターを準備します。
④ドリッパーにペーパーフィルターとコーヒー粉をセットし、軽く揺すって平らにします。
⑤1投目の湯を注ぎます。中心から「の」の字を描くようにゆっくりと一巡します。表面が膨らんだところでお湯を入れるのを止めます。
⑥30秒ほど置いて蒸らします。膨らみが落ち着き、平らになるのを待ちます。この蒸らしの作業がおいしさを左右するので重要です。
⑦2投目・3投目と湯を真上から中心で小さく「の」の字を描くように注ぎます。粉が沈んで平らになる直前に次のお湯を入れます。豆が新鮮なほどに泡は盛り上がります。抽出量になったらドリッパーをはずします。3分ほどで工程を終えます。
⑧コーヒーサーバーからゆっくりとカップに注いで出来上がりです。
コーヒーを楽しむうえで欠かせない、焙煎・挽き方・淹れ方についてみてきましたがいかがでしたでしょうか?
まずは基本をしっかりと身に着けてから、さまざまな淹れ方にチャレンジしてみたり、道具にこだわってみたりとおうちカフェ気分を味わってみたいものですね。