欧米と日本の文化が融合する街「神戸」
みなさんは「神戸」と聞いたらどんな印象を思い浮かべますでしょうか?
一番思い浮かぶのは1000万ドルの夜景という方が多いのではないでしょうか。
静かにひろがる港の海と光り輝く街並みが、絶妙なコントラストを描いています。
また、神戸といえば、神戸牛などもとても人気ですよね。
神戸に行った方はほとんどの方がお召し上がりになるのではないでしょうか。
こういった1000万ドルの夜景や神戸牛の影響もあって、神戸といえば「高級感ただよう街」という印象を持っている方が非常に多いのではないでしょうか。
確かに神戸が高級なイメージであることは間違いありません。
では、神戸の「ファッション」と聞いたらみなさんは一体どんなイメージを持ちますでしょうか。
神戸も横浜や長崎などと同様に日本を代表する港町として古くから栄えてきました。
その影響でアメリカンスタイルやヨーロッパの貴族スタイルなど数々の海外ファッションが神戸に根付いていったのです。
街中にはイギリス紳士風のスーツを着た方や、ドレスを着た海外女性も街を歩いていたほどです。
そして時が経つにつれ、日本の伝統と海外からの革新的なファッションアイテムの融合がなされ、徐々に神戸独自のファッション文化が作られていくこととなったのです。
では、神戸独自のファッション文化とは一体どんなものなのでしょうか。
次の章から詳しくご説明させていただきます。
西洋的な文化が根付く街・神戸。その文化的な変遷とは?
みなさんご存知の通り、日本は江戸時代まで海外との親交をほとんど行わない国でした。
いわゆる「鎖国」というものです。
その鎖国が、ペリー率いるアメリカ人が来航し、それ以降欧米の文化が日本に入ってくるようになりました。
神戸が港町として栄え始めたのもこの頃です。
神戸は横浜とは違い、国が主導で対外政策を行ったのではなく、商人が主導で国際交流を深めていったと言われています。
その甲斐あってか海外の文化が直接入ってくる港になったんですね。
だから海外のドレスなどを着て歩く方が当時からいらっしゃったのかもしれないですね。
そうして神戸は海外のファッション文化が色濃く根付く街となったのです。
そんな神戸を発祥として、あるファッションブームが起きるのです。
それが1970年代中頃から1980年代中頃で流行った「ニュートラ」と言われるものです。
ニュートラとは「New Traditional」の略で、神戸のアパレルメーカーが若い女性向けに販売していた商品を、ファッション誌が「ニュートラ」と名付けたのが始まりとされています。
特徴は何と言っても、スタイリッシュでカッコよさのある雰囲気です。
アメリカやイギリスの伝統的なスーツやロングスカートをぴったりと着て、
それにプラスしてルイヴィトンやセリーヌ、グッチなどのハイブランドアイテムを身に付けるという、なんともお目の高いファッションスタイルでした。
この格好は「お嬢様」というイメージから、それとは反対に悪いイメージもあるなど賛否両論がありましたが、
同じく横浜で誕生した「ハマトラ」という流行よりもはるかに長く人々から好まれたのです。
こういった格好を若い女性がするようになった理由は、ハイブランドの大衆化です。
いままではルイヴィトンやグッチなどは一般の人々が手を出そうとしても買えないものでした。
しかしそれが時代とともに一般の方も購入できるような価格設定となり、ニュートラと呼ばれる文化が誕生したのです。
いまではそういった「ニュートラ」の意識はあまり根付いていませんが、
関西に住む方々が好き好んで派手な服装をしていらっしゃるのは、もしかしたらニュートラの影響があるのかもしれませんね。
さらに進化し続ける、現在の神戸のファッションとは
神戸のファッション文化はさらに進化を遂げ、多くのショッピングモールが立ち並ぶ一大都市となりました。
そんな神戸ですが、実は神戸にはファッションをテーマにした日本初の美術館である「神戸ファッション美術館」というものがあるんです。
神戸や日本のこれまでのファッションの変遷などをさらに詳しくご覧になっていただくことができるのです。
神戸にお立ち寄りの際は、ショッピングを楽しむとともにぜひ美術館にも足を運んでみてください。
きっといままで知らなかった、ファッションの奥深さに触れられることでしょう。
神戸ファッション美術館の詳しい情報はこちら
http://www.fashionmuseum.or.jp